5月7日にイギリスで約5年ぶり総選挙が実施されます。
650の全ての議席が小選挙区制で実施されるため、保守党、労働党のいわゆる二大政党に議席を獲得しやすいにもかかわらず、両党とも過半数はとれないと言われています。
実際に、2015年4月20日現在のイギリスの大手ブックメーカーWilliam Hillのオッズを見てみると、単独過半数なしが1.1倍ということで、hung parliament(宙づり議会)と呼ばれる状況になるのは間違いないでしょう。
主要7政党の政策をひとことで紹介
現在僕が暮らしているイギリスでは、多くの家の窓に支持政党のポスターが貼られはじめ、我が家にも支持をお願いする訪問客が来るようになりました(選挙権がないと言うとすぐに帰ってくれますが)。
TV、インターネット、SNSでも、日に日に選挙の話題が盛り上がりをみせ、先日の主要7政党の党首討論も大きな注目を集めています。
ここでは、イギリスの政治にあまり馴染みのない方のために、主要7政党それぞれの政策を誤解を恐れずぎゅぎゅっとひとことに凝縮して紹介します。
Conservative(保守党)
党首:デイビッド・キャメロン(首相)
政策:財政再建
単独過半数のオッズ:8.50
Labour(労働党)
党首:エド・ミリバンド
政策:社会保障拡充
単独過半数のオッズ:23.00
Liberal Democrats(自由民主党)
党首:ニック・クレッグ(副首相)
政策:低所得層支援
単独過半数のオッズ:1001.0
UKIP(イギリス独立党 )
党首:ナイジェル・ファラージ
政策:脱EU、反移民
単独過半数のオッズ:201.00
SNP(スコットランド国民党)
党首:二コラ・スタージョン
政策:スコットランド独立
単独過半数のオッズ:なし
Plaid Cymru, The Party of Wales(プライド・カムリ)
党首:イェイアン・ウィン・ジョーンズ
政策:ウェールズ建国
単独過半数のオッズ:なし
Green Party of England and Wales(緑の党)
党首:キャロリン・ルーカス
政策:環境保護
単独過半数のオッズ:なし
全く予想ができない選挙
2010年の総選挙では、過半数をとれなかった保守党が、政策が全然違う自由民主党と連立政権をくんだことが国民から強く非難されました(どこかの国でも聞いたことのある話です)。
今回の選挙でも、いずれの政党も過半数をとれず、連立政権になるのが濃厚だと言われているんですが、どんな構成の連立政権になるかは全く予想ができず、選挙後しばらくも混乱が続くと言われています。
***2015年5月8日追記***
これはもう、ごめんなさいと言うしかありません……。
ふたを開けてみれば保守党が票を伸ばし、単独過半数を達成しました。選挙前には、連立政権濃厚などと書いて恥ずかしい限りです。
引き続きキャメロン首相が舵をとることになりますが、今回大きく票を伸ばしたSNPの影響と、大きく議席を減らした労働党がどう巻き返すかにも注目が集まっています。