この記事では、フランスの伝統的なお祭りである「マントンのレモン祭り」についてご紹介します。フランス南東部、イタリア国境に近いコート・ダジュール沿いの町で行われるお祭りで、世界でも類を見ないユニークなものなのだそう！毎年開催の時期には、国内外から多くの観光客が集まったり、世界中に中継されたりして、高い注目度を誇っています。イタリア オレンジ祭りのように有名なマントンのレモン祭りは、どのような祭典なのでしょうか。歴史や参加方法を見てみましょう。
マントンのレモン祭りとは？
フランス・マントンでは、毎年2月中旬から3月初旬にかけて約15日〜20日間「レモン祭り」が開催されます。街中でレモンやオレンジを使った巨大なオブジェや彫刻、仮装パレードが行われ、庭園のライトアップ、マーケットなどでにぎやかな期間となります。毎年20万人前後の観光客を集めるほど人気だそうで、テレビ中継もされています。
マントンのレモン祭りの歴史
マントンはかつて、ヨーロッパ有数のレモン生産地として知られていました。1928年には「ヨーロッパ最大のレモン生産地」として認知されていたそうですよ。柑橘類（特にレモン）は「黄金の果実」と呼ばれ、気候・土壌もレモン栽培に適していたのだとか。冬の閑散期に観光客を呼び込むため、地元のホテル経営者が獲れた柑橘を展示したことから、レモン祭りが始まりました。それ以降、柑橘や花、コスチュームなどを組み合わせた大きな祭典として定着していきます。
マントンのレモン祭りに参加したいとき
観光客や一般客も、マントンのレモン祭りに参加することができます。見たいものや参加したいものによって、申し込み方法や料金が異なります。一部の彫刻展示や庭園展示は無料ですが、パレードや特別イベントは有料であることが多いそうです。チケットはレモン祭りの公式サイトから購入できますので、参考にしてみてくださいね。パレードを見たい人は、早めから場所取りをしておくことが推奨されています。
マントンのレモン祭りの見どころは？
それでは、マントンのレモン祭りの見どころについて見てみましょう。マントンのレモン祭りは、画面を通して見るだけでもインパクトがあり、つい夢中になってしまう華やかさや派手さがありますよね。しかし、テーマや見どころについて知ると、さらに深い点まで注目して楽しむことができるでしょう。名前だけでも爽やかな「レモン祭り」ですが、どこに注目すればさらに楽しめるのでしょうか。
レモンとオレンジで作られる巨大な彫刻作品
マントンのレモン祭り最大の魅力は、町の広場や公園に登場する柑橘類でできた巨大な彫刻作品です。何トンものレモンとオレンジを用いて、動物、建物、神話や映画をテーマにしたアートが制作されるのです。その迫力あるスケールと色鮮やかさは圧巻で、昼間は柑橘の香りとともに明るく輝き、夜にはライトアップで幻想的な雰囲気に包まれます。お祭りの開催期間中は世界中から人が押し寄せ、作品の前で記念撮影を楽しみ、SNS映えする風景としても人気を集めています。
色鮮やかなカーニバルパレード
祭り期間中には、マントンの海沿いを舞台にした華やかなパレードが繰り広げられます。柑橘を装飾に使った山車や衣装をまとったダンサー、音楽隊が行進し、観客を楽しませる注目イベントです！南フランスらしい明るい太陽の下で、オレンジやレモンの香りとともに繰り広げられるこの光景は華やかで、虜になること間違いなし。夜にはイルミネーションや花火が加わり、昼とは異なる幻想的な雰囲気を楽しむことができます。観光客にとっては、地元の人々と一体になって祝う特別な体験となるでしょう。
マントン名物・レモンを使ったグルメ体験
レモン祭りのもう一つの楽しみは、マントン産レモンをふんだんに使った料理やスイーツを堪能できることでしょう。ジャムやタルト、そして「リモンチェッロ」というリキュール、さらにはレモン風味のチーズやハチミツなどを楽しめます。お祭り会場にある特設屋台や、地元レストランでも味わえますよ。普段は脇役のレモンが主役となり、爽やかで香り高い風味を存分に楽しめるのは、レモン祭りの醍醐味。お土産用の商品も豊富で、旅行の記念やプレゼントとしても喜ばれる一品が見つかるでしょう。
参考：辻調理師専門学校
マントンのレモン祭りで使われるレモンについて
マントンのレモン祭りについて知ると、読者の皆さんは「レモンがもったいないのでは？」と思ってしまうかもしれません。しかし、マントンのレモン祭りで使われるレモンは、食べものを無駄にする行為とならないよう数々の工夫が施されています。レモン祭りは華やかで、見て楽しめる素敵なイベントですが、もし「もったいない」と感じている人がいれば、以下の情報を知っておくと良いでしょう。
市場に出回らないレモンが活用されている
マントンのレモン祭りで使われるレモンやオレンジは、見た目は美しいものの、形がいびつだったりサイズが規格外だったりして、通常の市場に出回りにくい果実が多くあります。つまり、もともと食用としては販売価値が低いものを有効活用しているのです。お祭りで使われない場合は、通常の破棄となりますので、むしろレモン祭りで活用することはメリットが大きいのですね。
レモン祭り終了後に加工される
マントンのレモン祭りで使われるレモンやオレンジは、お祭り終了後に地元住民に格安で販売されたり、ジャムやリキュールなど加工品に使われたりします。さらに、観光客も「お土産用」として買うことができるんですよ。レモン祭りで使われたレモンを買って帰るのは、なんだか特別な感覚ですよね。
まとめ
マントンのレモン祭りについてご紹介しました。スペインのトマト祭り同様、マントンのレモン祭りは、歴史ある祭典の1つ。爽やかな色味と香りが街じゅうに広がり、幸せで明るい雰囲気をもたらしてくれる素敵なイベントなんですね。まだまだ、世界中には私たちの知らないお祭りやイベントが数多く行われていることでしょう。マントンのレモン祭りについてもっと詳しく知りたい人や、現地の空気を感じてみたい人は、ぜひレモン祭りの開催に合わせて旅行の計画を立ててみてはいかがでしょうか。
