これまで、TOEFLのリーディング、リスニング、スピーキングの勉強法や対策について書いてきました。
今回の記事では、いよいよ最後のセクション、ライティングへの取り組み方について紹介していきます。オリジナルのテンプレも準備したので、参考にして下さい。
Integrated taskの勉強法
まず言えるのは、TOEFLの全セクションの中で、ライティングはもっともテクニックがものを言うところだということです。
特に、Integrated Taskは、パターンが完全に決まっているので、テンプレートをうまく活用することで、実力の2割増しの回答を簡単に作ることができます。言ってみれば、スーツ男子、浴衣女子ですね(これも込みで実力と言うこともできますが……)。
ともかくテンプレを活用
Integrated taskでは、あるお題に関する短い文章を読んだあと、教授や先生の講義を聞いて、それらをまとめるというのがお決まりのパターンです。
リスニングパートの内容は約90%の確率でリーディングパートの内容に反対します。
「この文献にはこんなことが書いてあるけど実際には……」って流れです。
この時、3つの理由をつけて反対するのがお決まりのパターンなので、それを前提に事前に自分でテンプレを作りましょう。また、リーディング、リスニング時には3つのポイントを意識してメモとりをしましょう。
おすすめのテンプレート構成
Integrated taskのテンプレは、以下のような5部構成が簡単だと思います。
- イントロ: The reading and the lecture both mention about ,,,. But they contradict each other for the following reasons.
- ポイント(1): First of all, the writer of the reading states that ,,,. However, the lecturer says,,, .
- ポイント(2): Second, the main point described in the passage is that ,,, . He/She, on the other hand, claims in the lecture that,,,.
- ポイント(3): Finally, the author of the passage argues that ,,,. By contrast, the fact pointed out by the professor is ,,,.
- サマリー: To sum up, the professor is against the points mentioned in the reading passage because ,,,.
英文は僕が今適当に書いたのでちょっと胡散臭いです。これを参考にして、自分が書きやすいオリジナルテンプレを作ってみてください。
3つのポイントをおさえたら、テンプレを埋めるように作文してきましょう。
全体として大事なのは、リーディングとリスニングの内容をきっちり比較すること、同じことを似た意味の言葉、表現、文法で言い換える(パラフレーズする)ことです。
まず、テンプレの部分(上記の英語に相当する部分)の英文を事前に作っておきましょう。そしてそれを完全に覚えてしまいましょう。
あとは、リーディング、リスニングで仕入れた情報(計6つのポイント)を入れていけば完成です。
また、”The professor says that ,,,.”と言った部分の動詞(ここではsay)を現在形にするか、過去形にするかを悩むところですが、個人的には現在形をおすすめします。
これは、that節の部分で歴史上の出来事などに触れる際に、そこで過去形を使えるようにするためです。saysのところを過去形にしてしまうと、that節で過去の話をする際に、過去完了にする必要がでてきたりして、ミスが増える可能性大です。
最終的には、スペルミスを減らすためにも、3分は見直しの時間にあてたい所です。
見直しの際は、細かい表現を推敲し始めると時間がいくらあっても足りないので、スペルミスとnotのつけ忘れなどの明らかな間違いのみを直すようにしましょう。
Independent task
続いて、Indepedemt taskの場合です。
事前のネタだしが重要
こちらは、Integratedと違って、与えられたお題に対する自分の考えを述べる形式なので、まずは何を書くかを考えなければいけません。
お題はスピーキングのIndependentと似ているので、こちらとあわせて事前に代表的な問題の解答イメージをつくっておきましょう。
代表的なお題やその解答例については、下記の外部サイト(いずれも英語)も参考にしてみてください。
英作文は英借文
Independentの回答は、Integratedに比べて自由度が高いので、テンプレートを覚えても使えないことが多いと思います。ただし、賛成、反対の代表的な表現をはじめ、代表的な構文を覚えてください。
本番では覚えた構文をベースに、うまく単語を入れ替えることで文を作っていきましょう。
スピーキング対策でも紹介しましたが、『表現のための実践ロイヤル英文法』という本についている別冊には、書きたいけけど書き方がなかなか思いつかない表現がたくさん載っているので、おすすめです。
多くの教科書などに書いてあることですが、構成としては、以下の形が一番書きやすいと思います。
- イントロ:賛成か反対かを述べる
- メイン:その理由を2つか3つ述べる
- まとめ:最後にもう一度賛成か反対かを述べる
ライティングの学習方法のポイント
ここまで、Integrated、Independentの対策について書いてきましたが、ここでは両セクションに共通する学習方法について、僕の考えを3点紹介させて下さい。
タイピングを侮ることなかれ
ライティングで意外と盲点なのは、英文をタイプするのに慣れていなくて、本番の回答の際にタイピング自体に時間がかかってしまうことです。
せっかくテンプレを準備して、リーディング、リスリングで3つのポイントを抑えられたのに、タイピングが遅くて書こうと思っていたことが書けないというのは、とてももったいないです。
タイピングに自信のない人は事前に練習しておきましょう。ググれば、フリーのタイピングソフトがいろいろ出てくるはずです。
自信のある人も家での練習時には、パソコンで回答を作成することをおすすめします。
自分で添削すればOK
ライティングは、通信講座による添削サービスなどもありますが、まずは自分自身で添削すれば十分だと思います。というのも、ほとんどの人はライティングに比べるとリーディングの方が遥かに出来るからです。
そもそも、仮にネイティブに完璧な模範解答に修正してもらったところで、次に同じような英語が書けるかと言われると、それは間違いなく無理です。
また、先ほども触れたように、練習の際も本番をイメージしてPCで回答を作成するようにしましょう。
まずは、PCのエディターを使って参考書などに載っている問題に制限時間内で回答します。この時、オートコレクト機能を忘れずにオフにしましょう。
その後、自分自身で回答を見直します。この時は、Integratedならリーディング、リスニングの部分を何度も見て、聴いてください。
オートコレクトもオンにし、自信のないところは辞書などをフル活用して自分の回答を修正してください。参考書の回答は、参考程度に見るだけで良いと思います。
最初のうちは、評価5を得るような回答になっていないかもしれません。それでも、自分自身で修正することによって、自分の間違いのくせに気づくこと、修正内容をきちんと理解できるといったメリットがあります。
まずはリーディングとリスニング
ライティングの練習はどうしても時間がかかります。実戦形式でやると1つのお題で1時間程度はかかってしまいます。そのせいもあってか、「早く取り組まないと」と焦りがちです。
その気持ちは非常によく分かるのですが、リーディングとリスニングが全然出来ないうちからライティングの練習に多くの時間をとられるのは非効率です。
リーディング、リスニングがある程度把握できるようになった時点で始めても遅くないと思います。
ちなみに、ライティングの練習に僕が使っていた本は、TOEFLの公式問題集と旺文社の参考書の問題を使っていました。
他のライティング参考書を使っていないので、これらがベストな本かはわかりませんが、この2冊はいずれも問題設定がリアルなので役にたちました。
ライティングの勉強方法まとめ
最後に、これまでに書いてきたライティングの勉強方法をまとめます。
- Integratedはテンプレが活用しやすい。事前に使いやすいテンプレを作成して、完全に暗記しておく。
- Independentは、事前に多くの問題例に接して、回答パターンを頭に入れておく。
- ライティングの練習は、PC上で時間制限を設けて行うなど、本番を想定したものにする。
TOEFL対策シリーズのあとがき
これまでに、全5回のTOEFL対策記事を書いてきました。これらの対策は、TOEFL iBTのスコアアップにつかえるだけでなく、留学先での勉強や生活にも役に立つと思います。
TOEFLの準備は、多くの場合数ヶ月以上の長期戦になるので、モチベーションを維持するのが何より大切です。
ちょっとサボりたくなったら、留学生活をエンジョイしている自分、留学後の成長した自分、あるいはパツキンの綺麗な女の子やベネディクト・カンバーバッチの姿を想像してみてください。
海外で学んだり働いたりすることは、自分の世界を広げるとても貴重な経験になることは間違いありません。