いきなりですが、質問です。イギリスやアメリカの子供たちは、気が付いたら英語が自由に使えるようになっているのでしょうか?

もちろん自然に学ぶという面ももちろんありますが、それ以上に、小さい頃から英語をきちんと勉強して、ちゃんとした英語を使いこなせるようになるのです。今回の記事では、イギリスの現地小学校に通っている子供を持つ僕が、ネイティブの子どもたちが英語の勉強に使っているオンラインサイトを紹介します。

有料のサービスはどうしても敷居が高くなってしまうので、無料で使えるものを中心に紹介していきます。子供にはもちろんのこと、英語を勉強している大人にも使えるサイトばかりです。

イギリスの子供たちはどうやって英語を勉強しているのか

英語のネイティブも毎日の勉強によって英語を身につけるというのは、僕達たちが学校で国語を勉強することで少しずつ日本語を習得していくのと全く同じです。

僕なんかは、子供の時に真面目に国語を勉強しなかったせいで、今こうして文章を書くときに苦労しているわけですが……。

さて、ウェブ教材を紹介する前に、現在僕が暮らしているイギリスで子供たちがどのように英語を勉強をするのかを簡単に説明します。

彼ら、彼女らの英語の勉強は、幼稚園でフォニックスと呼ばれる英語の綴りと発音の関係を理解する訓練からはじめます。小学校に入ると、スペリング、文法、ボキャブラリーなどを毎日の授業で習うようになります。小学校の中学年から高学年では、単なる英語ではなく、上手なスピーチのしかた、さまざまな文章スタイルの違い(詩、フィクション、レポートなど)といったことを学んでいきます。

彼らは自然に英語を身につけるのではなく、こういった日々の勉強を通じて英語をマスターしていくわけです。

これは僕らにとってありがたい事実です。彼らが学習によって英語を学んでいるということは、僕たち日本人だって、学習によって彼らに近いレベルになりうるということだからです。

もちろん彼らは勉強している時以外にも、赤ちゃんの時から常に英語に接しているので、それと全く同じ環境を作ることは難しいでしょう。しかし、彼らがどんなことを学習しているかを知ることは、日本の英語学習者にとっても非常に参考になることでしょう。

前置きが長くなりましたが、オンライン学習サイトの紹介にいってみましょう。

英語学習のためのウェブ教材

Starfall

Starfall公式HP: http://www.starfall.com

英語に特化したサイトで、もともとの対象は幼稚園から小学校低学年くらいだと思います。

内容はフォニックスが中心で、聞いた音をもとに、選択肢からアルファベットを選んで単語をつくるといった、軽いゲーム感覚のものが多くあります。

基本的には初級者が対象になると思います。

Reading Bear

Reading Bear公式HP: http://www.readingbear.org

このReading Bearは特にフォニックスの内容が充実しています。

このサイトの良いところは、動画の中でネイティブが発音しているときの口の動かし方を見られることです。

サイト全体をパッと見た感じは、構成がちょっと分かりづらいのですが、トップページの右上にあるGetting Startedを最初に見ると、どのように活用すれば良いのかよくわかります。

基本的には初級者向けの内容ですが、全体のボリュームもかなりあり、英語にあるほぼ全ての音が網羅されているので、中級者〜上級者にとっても、特に発音を確認するのに便利なサイトです。

BrainPOP

BrainPop公式HP: https://www.brainpop.com

英語に限らず、理科、社会、算数、美術、音楽なども学べる総合学習サイトです。無料でアクセスできるのは一部なのですが、その一部でもそれなりのボリュームがあります。

様々な分野に関して5分くらいの動画とその内容に関するクイズやアクティビティーで構成されています。動画は、TimとMobyという男の子とロボットのコンビによるストーリ仕立てになっているので、お堅い勉強という感じはあまりなく、気軽に楽しみながら学ぶことができます。

対象年齢は11歳以上なので、全くの子供向けではなく、英語を学ぶ大人にとってもそれなりに満足出来る内容が多く掲載されています。

例えば、Englishの中にある無料でも見られる動画の中には、BlogsやWilliam Shakespeareといったテーマがあります。

ちなみに有料版は、プランにもよりますが年に1万円前後のようです。クオリティを考えると決して高いとも思いませんが、他にも無料サイトが色々あるので、特にはおすすめはしません。僕も有料版を使ったことはないです。

Learn English シリーズ (British Council)

Learn English公式HP: http://learnenglish.britishcouncil.org/en/

British council(イギリスの公的な国際交流機関)のサイトにある英語学習ページです。

ネイティブの子供向けというより、イギリス国外で英語を勉強する人向けに作られたサイトだと思いますが、内容がかなり充実しているので、あわせて紹介します。

British councilの目的の一つが世界に英語を普及させることなので、充実したサイトになるのは当然かもしれません。

このBritish councilの英語学習サイトは、Learn English for kids、Learn English for teens、Learn Englishと3つのレベルに分けられています。

いずれも英語の発音、文法、単語など幅広い内容を網羅しており、そのスタイルも動画から、ゲーム形式まで様々です。for kidsは、初心者〜中級者が主な対象になりますが、for teensやLearn Englishは、日本で勉強している英語の上級者によっても楽しめるサイトです。

とくにLearn Englishでは、日常英語、ビジネス英語に加え、英語の試験の一つであるIELTSのコツなどに関する情報も充実しています。スマホ用のアプリもいろいろ充実しているお勧めのサービスです。

Bitesize (BBC) *日本からはアクセスできません。

Bitesize公式HP: http://www.bbc.co.uk/bitesize/ks1/literacy/

最初に断っておくと、このサイトはイギリスの公営放送BBCのサービスなので、基本的にはイギリス以外からはアクセスができません。どうしても利用してみたい方はVPNを使う手もありますが、個人の責任でご利用ください。

このBitesizeは、BBCが提供している子供向け学習サイトで、英語に限らず、幅広い学習内容を網羅しています。以下の様にレベル別に内容が分けられているのも特徴です。

  • KS1: Key stage 1(5−7歳)
  • KS2: Key stage 2(7−11歳)
  • KS3: Key stage 3(11−14歳)
  • GCSE(15、16歳)

例えば、KS1、KS2のページからEnglishの科目を選ぶと、サイト名通り約4、5分というの一口サイズの動画を大量に見ることができます。また、これらのページのリンク先にあるEnglish activityのページでは、フォニックをはじめとする英語の学習がゲーム感覚でできるようになっています。

さらに、高学年向けのリソースには、Creative writing、Analysing speechなどというように、英語の上級者にとっても有用な情報や内容がたくさんあります。

English以外の科目もArt、Computing、Engineering、Science、 Histroy、さらにはBusinessなど、本当にたくさんの内容があり、そのどれもが多くの動画やインタラクティブな教材としてしっかりと作りこまれています。Historyなどに登録されている動画も流石のクオリティです。

おまけ Reading Eggs【有料】

Reading Eggs公式サイト: http://readingeggs.co.uk

こちらは残念ながら有料なのですが、うちの子供の小学校でも利用されていたので紹介しておきます。

このサイトはフォニックスがしっかり学べる教材になっていて、さまざまなタイプのクイズを解きながら、自然にフォニックスが身につくようになっています。

このReading Eggsが他の類似サービスと異なるのは、その量が圧倒的だという点です。フォニックスがある程度理解できるレベルになると、数100冊の中から本を読んで、その内容に関するクイズに答えながら英語を学ぶ仕組みもあります。

また、各ステージでは楽しく派手なアニメ、キャラクターが出てきて、クリア毎に溜まるご褒美のポイントでアバターをドレスアップすることができます。様々なゲーミフィケーションの仕組みが取り入れられているため、飽きずに続けやすいようです。

あまり英語に関係ないミニゲームなども豊富なせいで、うちの子供の場合は、ふと見るとただゲームをしているだけということもありましたが……

クレジットカードの登録なしで2週間無料体験できるようなので、一度直接見てみると内容がよく分かります。

おすすめはBritish council

今回紹介したサイトはReading Eggsを除き、全て無料、且つ面倒な会員登録なしで利用することができます(無料で利用できるのは一部というサイトもあります)。別に一つを集中して利用する必要は全くありませんが、British councilのものが幅広い内容を網羅しているので、とりあえずどれか一つ覗いてみようという方にはおすすめです。

このレベルのサービスを無料で提供されると、英語の教材で商売をしている人はつらいだろうなあと余計な心配をしてしまいます(幼児教育のためとか言って、ウン十万もするような「デ◯ズニーの英会話」とかを絶対買わないように!)。

上に挙げたサイトは、どれも海外のサイトなので当然説明から何から全て英語ですが、海外のサイトを見ること自体もよい英語の勉強になると思うので、英語を上達させたい人はぜひどうぞ。

ただ、これらのサイトは基本的にはインプットがメインです。英語の力を上げるには、当然アウトプットも大切です。オンラインのマンツーマン英会話もおすすめですが、もっと簡単には瞬間英作文シリーズを使った自主練がイチオシです。

 

投稿者 monadmin