今後社会人として働くにあたって必須能力となっていくことが考えられる英語。2020年4月より小学校3年生から必修科目となっています。中学校からが必修科目だった30代の筆者にとってはそんな小さい頃から必修科目にして何をするのだろう、と疑問に思うところもあります。
そこで今回は小学校3年生から必修科目となった小学校 英語教育の謎に迫っていきます!
小学校 英語教育の指導要領
まずは学校教育において全てのもとになる実施要領(平成29年告示)の英語についての記載をまとめておきます。
目標
外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ、外国語による聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの言語活動を通して、コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 外国語の音声や文字,語集,表現,文構造,言語の働きなどについて,日本語と外国語との違いに気付き,これらの知識を理解するとともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこと,読むこと,話すこと,書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身に付けるようにする。
(2) コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近で簡単な事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声で十分に慣れ親しんだ
外国語の語彙や基本的な表現を推測しながら読んだり、語順を意識しながら書いたりして,自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的なカ
を養う。
(3) 外国語の背景にある文化に対する理解を深め、他者に配慮しながら、主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。
小学校 英語教育について実施の背景まとめ
2011年実施で導入された小学校高学年の外国語活動により、子どもたちの高い学習意欲や中学生が外国語教育に対してより積極的になるなどの成果が認められました。一方で、大きく3点が課題として指摘されました。
- 中学校への接続で、音声中心から文字への学習が円滑に進んでいない
- 日本語と英語の音声の違い、英語の発音と綴りの関係、文構造などの気づきを以降の学習につなげることがうまくできていない
- 高学年の子どもたちにはより体系的な学習が必要
さらに学年が上がるにつれて学習意欲が低下することが多い、学習した内容などを進級・進学したあとに発展的に生かせない状況があることも見られました。
小学校3年生の英語で重視していること
上記の課題から小学校3、4年生では科目としての成績をつけられることのない、「聞くこと」「話すこと」を中心とした「外国語活動」が導入されました。
ちなみに、5、6年生では、「読むこと」「書くこと」も加わり、総合的に英語を【教科として】勉強していくことになりました。
小学校の英語では、英語を体験的に理解することを大切に、自分の考えや気持ちなどを伝え合う力をつけることを目指し、「聞く」「話す(やりとり)」「話す(発表)」などの活動が行われています。
小学校3年生ではどんな授業をするの?
小学校 英語の授業では、英語であいさつをする、ゲームで語彙を増やす、英語の歌を聞いたり、歌うだけでなく、「自分の好きなこと」や「自分の持っているもの」を相手に伝える活動をします。クラスの友達や先生、学校に来る外国人の先生と英語でやりとりを行い、アルファベットソングを歌って音や文字に親しんだりもします。
最後に
今回は2020年4月より開始した小学校 英語教育について調査しまとめてきました。グローバル化が浸透していく中で、日本は非常に遅れをとっています。その是正のため、まずは英語から、という様な状況なのでしょう。
2020年4月で3年生の児童、生徒が大人になった時にどのような状況になっているのか、今から楽しみですね!