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フッ素がヨーロッパで禁止されてるのはなぜ?歯磨き粉の危険性は?

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フッ素がヨーロッパで禁止されてるのはなぜ?歯磨き粉の危険性は?

フッ素がヨーロッパで禁止されているというのはなぜなのでしょうか。私たちが使う歯磨き粉に含まれるフッ素は、歯を丈夫にする効果があるといわれていますよね。そんなフッ素ですが、ヨーロッパでは危険物として禁止されています。なぜなのでしょうか?そして、ヨーロッパで禁止されているフッ素を日本で使用することに、問題はないのでしょうか?調査してみましょう。

目次

フッ素がヨーロッパで禁止されているのはなぜ?

フッ素はヨーロッパで禁止されており、現在はヨーロッパだけでなくアメリカでも禁止する動きが進んでいるようです。しかし、厳密に言うとそれは私たちが知っているフッ素ではありません。ヨーロッパで禁止されているフッ素は「有機フッ素化合物」と呼ばれる猛毒で、歯磨き粉に入っているフッ素とは別物なのだそうです。では、具体的な違いと禁止されている理由を見てみましょう。

フッ素はもともと猛毒だったから

フッ素がヨーロッパで禁止されている背景として、フッ素がもともとは猛毒を持っていることが挙げられます。フッ素単体だと猛毒として扱われ、薬事法で劇薬とされているのだそう。しかしフッ素は反応性が高いので、すぐに酸化し「化合物(フッ化合物)」となります。「化合物(フッ化合物)」となればフッ素から毒が消え、安全な物質に変化します。虫歯予防に使われているフッ素はこの「化合物(フッ化合物)」で「フッ化ナトリウム」。歯磨き粉だけでなく食品に含まれていることもあり、毒性はないそうですよ。

安全なフッ素も危険性ありと分類されているから

虫歯予防に使われるフッ素(フッ化ナトリウム)が安全だということを説明しました。では安全であるにもかかわらず、どうしてフッ素はヨーロッパで禁止されているのでしょうか?実はヨーロッパやアメリカでは、安全であるはずの「化合物(フッ化合物)」となったフッ素を含むすべての種類を1つのグループとして捉え、全面的な製造・販売を禁止しているのだそうです(一部の国では審議中)。これには反対意見も多く、日本からは日本化学工業会、日経連、そして経済産業省からも反対意見を提出しています。

日常的に使用するのが危険だという意見があるから

フッ素(フッ化ナトリウム)は化合物に変化しているので毒性はありません。しかし、一部では化合物となったフッ素であっても、日常的に使用することで悪影響があるのではないかという見解が出てきているそうです。そもそもフッ素を日常的に使用したところで、歯の再石灰化に対する効果は薄いとされ、さらには副作用として脳の機能障害や糖尿病などが懸念されています。しかし、フッ素は歯磨き粉に含まれているので大量に飲み込むことはまずありません。このことから、フッ素に対する危険性を提起する意見が分かれているそうですよ。

ヨーロッパで禁止されているフッ素をくわしく解説

フッ素がヨーロッパで禁止されているのがなぜなのか分かったところで、ヨーロッパで禁止されているフッ素化合物がどのような種類なのか見てみましょう。先にご紹介した通り、私たちが使う歯磨き粉に含まれているフッ素とは別物ですから、安心してくださいね。ヨーロッパで禁止されているフッ素化合物は、以下の種類です。

  • PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)
  • PFOA(ペルフルオロオクタン酸)

禁止されている理由や根拠は?

上記は「永遠の化学物質」と呼ばれ、環境中で分解されにくいのが特徴。水・土壌・生物体内に蓄積し続けるため、人体や生態系に長く残ることが問題視されています。その結果、フッ素自体の禁止につながっているようです。このことで、飲料水や地下水の汚染が進んでいるともいわれていますよ。上記のフッ素に関しては、発がん性や免疫機能低下などがあると報告されています。

参考サイト:食品安全委員会

ヨーロッパ以外の国もフッ素を問題視している?

上記のフッ素化合物に関しては現在、ヨーロッパ 英語圏という共通点のあるアメリカやカナダ、オーストラリアなど、さまざまな国が問題視するようになっています。日本でも、上記で挙げたPFOSとPFOAに関して意識が高まっており、沖縄地方での水源汚染が問題視されるようになりました。しかし、他国のように厳戒な禁止措置をとっているわけではなく、法による規制も整備されていないそうです。

危険なフッ素は普段どのような場所で使われる?

PFOSとPFOAは、もちろん私たちの歯磨き粉などに含まれることはありません。しかし、意外にも身近な場所で使われていることがあり、自然界で分解されにくいため、空気や水を汚染するリスクがあるとされています。主に以下の場面で用いられていますよ。

  • テフロン加工のフライパンや鍋
  • 撥水加工されたレインコートなどの衣類
  • 油の浸透を防ぐ紙容器、ピザ箱、ポップコーン袋
  • 滑らかさや撥水性のあるファンデーションやリップ

これらが製造される段階で危険物質が煙突から排出され、これらを使用したり洗濯したりすることで水に流れ、空気中に拡散されます。

参考サイト:日本経済新聞

フッ素の代替用品はある?

世界的に危険性があるといわれているフッ素。歯磨き粉のフッ素は安全だとされていますが、中には空気や水を汚染する危険なフッ素化合物があることが分かりました。では、フッ素化合物を使わずに製品を製造したり、使用したりすることは不可能なのでしょうか?フッ素化合物の代わりになる物質や素材、そしてそれらを導入している企業について調べてみました。

シリコン

フッ素化合物の代用品となるのは、シリコンです。シリコンを代用品とするには、テフロン加工の代替として、フライパンや鍋、レインコートなどに使用できます。フライパンや鍋は食品と接触しますが、シリコンなら安全で耐熱性も兼ね備えている点も安心ですね。しかし、フッ素化合物を使ったテフロン加工の調理器具よりは、防汚力に欠けるともいわれています。

天然ワックス

天然ワックスをフッ素化合物の代用品として使うには、油や水の浸透を防ぐ食品の包装に最適です。蜜ろうワックスや大豆ワックスなどが挙げられ、フッ素化合物と同じように水や油をはじく効果があります。マクドナルドでは「2025年までに全世界で包装材からすべてのフッ素化合物を取り除く」ことを発表しています。

しかしながら、日本のマクドナルドでは現在でも完全にフッ素化合物が除去されたと発表しておらず、いまだ使用し続けている可能性があるようです。

まとめ

フッ素がヨーロッパで禁止されている件について調査しました。フッ素単体は猛毒であるものの、酸化し化合物になることで安全な物質に変わり、歯磨き粉に使われることが分かりましたね。よって、私たちが普段使う歯磨き粉に危険性はありませんが、安全なフッ素に変化する前の「フッ素化合物」においては、世界的に環境汚染や人体への影響が懸念されています。日本ではまだ規制が緩く、食品包装や調理器具にも使われているようですが、今後改善に向かっていくのか、注目されるでしょう。

この記事を書いた人

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