今回の記事では、The New York Timesのサイトに掲載されていた、ネイティブも知らないというスーパー激ムズ最上級英単語を紹介します。

The New York Timesと言えば、高い教育を受けた意識の高いインテリ層に好んで読まれているアメリカの高級誌ですが、この新聞の読者ですら知らないという英単語とは一体どんな単語でしょうか。

ニューヨークタイムズ読者も知らない英単語

このネイティブも知らない難しい単語が紹介されていたのは、The New York Timesのオンライン版に掲載されていた『50 Fancy Words』というタイトルのコラムの中です。

実は同紙のデジタル版には、出てきた単語をダブルクリックすることで辞書ソフトが起動して、すぐに意味を調べるサービスがあるそうです。

この機能をもとに、沢山ダブルクリックされている単語ほど読者が知らない単語だろうという理屈で、難しい単語というものを定義しています。

もちろん単語が出てくる頻度や読者がその単語を目にする回数によってどのくらいダブルクリックされたかは変わってきます。

とは言え、あまり厳密なことにはこだわらず、アメリカのインテリ層の実力がどの程度のものか見ていきましょう。

50 Fancy Words (The New York Times)

意外に知ってる英単語が多い?

NYtimes.comでもっとも調べられた単語ベスト50ということで、第50位から、40位、30位、20位ときて、最後に第10位から第1位までをまとめて紹介します。

第50位から第20位まで

第50位 démarche: (動)政治的な措置

The New York Timesの当該記事の執筆者も意味が不確かだったほどの難単語のようです。もともとフランス語からきたようですし、確かに日本人にはあまり馴染みがなさそうです。

第40位 chimera:(名)幻想、キメラ

「キメラって、あのキメラ?メイジキメラとかのキメラ?」

という質問が聞こえてきます(んなわけない)。そうです。あのキメラです。

キメラはもともとギリシア神話の怪物、2種類以上の遺伝子を持つ生命体を指します。生物を学んだことのある人にとっては後者の意味でお馴染みかもしれません。

しかし、それ以上にドラクエをやったことのある人ならまず知っている言葉ですね。

第30位 ubiquitous:(形)至る所に存在する

もともと”神はあまねく存在する”という意味の宗教用語ですが、むしろIT用語としてとても有名ですね。

「ユビキタス」というカタカナは、しばらく前までは一種のバズワードになって、その名の通りに至る所で見ることができました。

第20位 crèches:(名)BE 保育所、AE キリスト生誕図

イギリスでは、前者の意味として結構普通に使われていますが、アメリカの新聞なので後者の意味で載っていたのだと思います。もともとはフランス語に起源をもつようです。

ちなみに、使い古された陳腐な表現を意味するクリシェは「cliché」なので、お間違いなきよう。

第10位から第1位まで

10位から1位までまとめて紹介します。

第10位 obduracy(名)頑固

第9位 solipsistic(名)唯我論

第8位 apostates(名)背信者

第7位 opprobrium(名)非難、憎悪

第6位 baldenfreude *NYT記者の造語(bald+schadenfreude)で特に意味はなし

第5位 profligate(動)浪費する

第4位 austerity (名)緊縮、禁欲

第3位 profligacy(名)浪費

第2位 sui generis(形)独特の

第1位 inchoate(形)始まったばかりの、未完成の

カタカナ語の功罪

さすがに上位には知らない単語が沢山並んでいましたが、トップ50全体を眺めてみると、意外に聞いたことのある単語もありました。そういった単語の多くは、日本でカタカナ語として一般的に使われているものだったりします。

カタカナ語は、和製英語とセットで語られたり、日本人の発音がいまいちな原因にされたり、さらには横文字ばかり使うやつらは胡散臭いとか、とにかく目の敵にされがちです。

でも想像してください。もし日本にカタカナ語がなくて、外来語を全て従来の日本語や漢字に置き換えて使っていたら。

今ぱっと目に入ったカタカナ語で表されるもの、テーブル、アップル、ペン、モニター、カーテン……。これらのカタカナ語がなかったら、英語の勉強はもっと大変だったはずです。

ネイティブでさえ知らないような言葉の意味をいつの間にか知っているなんてことがあるのは、カタカナ語のおかげかもしれません。

***2015/10/16 追記***

カタカナ語のおかげで「アメリカ英語恐るに足らず!」と鼻息を荒くしていました、さすがにイギリス英語はそう甘くありませんでした。詳しくはこちらの記事で。

https://monkey-english.com/9-challenging-english-words

投稿者 monadmin