英語には動物が登場するイディオムがたくさんあります。「rain cats and dogs(土砂降り)」は有名ですが、他にも日常会話で頻繁に使われる表現が数多く存在します。さまざまな動物が比喩的に用いられ、それぞれに興味深い由来や歴史的背景があります。これらのイディオムを知ることで、英語の表現力が豊かになるだけでなく、英語圏の文化や価値観への理解も深まるでしょう。英会話をより自然に楽しむために、動物が出てくる英語イディオムをマスターしてみませんか?
この記事では、知っておくと便利な動物が出てくる英語イディオム10選を、その意味や由来とともにご紹介します。
Raining cats and dogs
「土砂降りの雨が降る」という意味のイディオムです。由来には複数の説がありますが、17世紀のイギリスで、激しい雨によって屋根で寝ていた猫や犬が流されて落ちてきた、という説や、北欧神話で猫が雨を、犬が風を象徴していたという説があります。現代では非常に激しい雨を表現する際に使われます。子どもに対して使うと、空からワンちゃんと猫ちゃんが降ってくるかのような印象になり、ウケますよ。
例:We can’t go out now—it’s raining cats and dogs!
(今は出かけられない。土砂降りだもの!)
Let the cat out of the bag
「秘密をうっかり漏らす」という意味のイディオムです。由来には諸説ありますが、中世の市場で豚と偽って袋に猫を入れて売ろうとした詐欺師の話が有名です。袋を開けて猫が飛び出せば、嘘が露見してしまいます。現代では、意図せず秘密を明かしてしまった時に使われます。猫の特性も表現されていて、なんだか可愛らしいイディオムですね。
例:I wasn’t supposed to tell anyone about the surprise party, but I let the cat out of the bag.
(サプライズパーティーのことは誰にも話さないことになっていたが、うっかり言ってしまった)
When pigs fly
「そんなことは絶対にありえない」という意味で、日本語にすると「豚が空を飛ぶとき」となります。豚が飛ぶことは物理的に不可能なので、実現不可能なことや起こりそうにないことを皮肉っぽく表現する際に使いますよ。由来としては、古いスコットランドの話から来ているといわれていますが、あの有名な『不思議の国のアリス』の中にも出てくる表現なのだとか。使い方としては「豚が空を飛ぶときに、〇〇するだろう」というふうに、ありえないことを述べます。以下が例です。
例:He’ll clean his room when pigs fly.
(彼が部屋を掃除するなんて絶対ないよ)=豚が空を飛ぶとき、彼は部屋を掃除するだろう
Kill two birds with one stone
「一石二鳥」という日本語と全く同じ意味で、一つの行動で二つの目的を達成することを指します。文字通りには、一つの石で二羽の鳥を仕留めるという意味ですが、効率的に物事を進める様子を表現します。
例:I’ll drop off the package and pick up groceries on the way home—kill two birds with one stone.
(発送する荷物を降ろして、スーパーに行って買ったものを乗せて帰ってこられれば一石二鳥だ)
Hold your horses
「ちょっと待って」「落ち着いて」という意味です。馬車や騎馬の時代に、興奮した馬を制御する様子から生まれました。誰かが焦っていたり、急いで行動したりしている時に、一旦立ち止まって考えるよう促す表現です。ただの「wait」よりも、興奮している人を止めるようなニュアンスを持ちます。
例:Hold your horses! Let’s think this through before making a decision.
(落ち着いて!決断する前に、よく考えよう)
The elephant in the room
「誰もが気づいているのに、誰も触れたがらない明白な問題」を指します。部屋に象がいれば誰でも気づくはずなのに、誰もそのことに言及しないという矛盾した状況を表現しています。気まずい話題や対処すべきだが避けられている重大な問題について使われます。部屋に象がいて誰も触れたがらないというのは、なかなかシュールな状況ですよね。
例:Nobody wanted to mention his drinking problem—it was the elephant in the room.
(彼の酒癖については誰も触れたがらない。みんな気づいているけれど、話したがらないのだ)
A wolf in sheep’s clothing
「羊の皮をかぶった狼」で、日本語でもそのまま使われる表現です。外見は善良そうに見えるが、実際には危険な人物や悪意を持った人を指します。イソップ寓話や聖書に由来する古い表現で、見かけに騙されてはいけないという教訓を含んでいます。
例:He seemed nice at first, but he turned out to be a wolf in sheep’s clothing.
(彼は初めの印象は良いけれど、実は羊の皮を被ったオオカミなんだ)
Curiosity killed the cat
「好奇心が猫を殺した」という直訳で、「好奇心も度が過ぎると危険」という警告の意味です。猫は好奇心旺盛な動物として知られており、その好奇心のせいで危険な目に遭うことがあるという観察から生まれました。詮索しすぎたり、余計なことに首を突っ込んだりすることへの注意喚起として使われます。
例:I wouldn’t ask too many questions if I were you—curiosity killed the cat.
(私があなただったら、詮索しすぎることはしない。過剰な好奇心は危険だからね)
Straight from the horse’s mouth
「信頼できる情報源から直接得た情報」という意味です。競馬で馬の年齢や健康状態を知る最も確実な方法は、馬の口や歯を直接調べることだったことに由来します。噂話や又聞きではなく、当事者や専門家から直接聞いた確かな情報であることを強調する際に使います。
例:I heard straight from the horse’s mouth that they’re getting married.
(信頼できる情報元から聞いた話だと、彼らは結婚するらしい)
Don’t count your chickens before they hatch
「卵が孵る前に鶏を数えるな」という直訳で、「取らぬ狸の皮算用」に相当する表現です。まだ実現していないことを前提に計画を立てたり、確実でない利益を当てにしたりすることへの戒めです。イソップ寓話に由来し、慎重さの大切さを教えています。
例:Don’t count your chickens before they hatch—wait until you get the job offer before celebrating.
(卵が孵る前に取りを数えないの。お祝いしていないで、まずは仕事のオファーを待たなきゃいけないでしょう?)
まとめ
今回ご紹介した10の英語イディオムは、どれも英語圏では日常的に使われているものばかりです。これらの表現を適切に使えるようになれば、英会話がより生き生きとしたものになり、ネイティブスピーカーとのコミュニケーションもスムーズになるでしょう。イディオムの背景にある文化や歴史を知ることで、英語学習がさらに楽しくなります。
まずは気に入った表現から実際の会話で使ってみてください。使えば使うほど自然に身につき、あなたの英語表現の幅が広がっていくはずです。楽しみながら学んでいきましょう!















