まじめに英語を勉強しているのに、いつまでたっても英字ニュースや洋書をすらすら読むことができないそこのあなた。
あなたに足りないのは、単語力だけです!いや、ホントに。
今回の記事では、そんな悩めるあなたに英語のボキャブラリー強化におすすめの参考書をレベル別にまとめて紹介します。
まずは1万5千語を目指しましょう
下の図を見てください。これは、英語のネイティブスピーカーの単語量に関するデータです。横軸が年齢、縦軸が平均的なボキャブラリーの数です。
これを見る限り、成人のネイティブスピーカーはおよそ25,000以上の単語を知っているようです。
もちろん25,000覚えなければならないわけではありません。25,000の中にはほとんど使う場面がない単語も数多く含まれていると思います。
では12歳の子供の平均的な単語量を見てみましょう。
昔を振り返ってみると簡単にイメージできると思いますが、中学1年生くらいになるとだいぶ大人と同じように複雑な話ができるレベルになってきます。コミュニケーションで大きな問題もおきません。
その中学1年生の語彙力がだいたい15,000位です。このくらいのボキャがあれば、英語でそれなりにコミュニケーションがとれるということです。
とは言え、これはなかなかのハードルです。
巷には、英語の80%は基本的な単語で構成されているから、難しい単語を知らなくても文法構造などから文意は読み取れるという意見もあります。
ムリムリムリ!
一見、80%と聞くとかなりの割合に思えますが、残りの20%の単語が分からなければ、まずその内容は理解できません。
例えば次の文の意味はわかりますか?
“This is a (ferocious / faithful / pedigree) dog.”
80%にあたるThis, is, a, dogは超基礎単語ですが、たった一つの形容詞ferocious、faithful、pedigreeが分からなければ、相手の言いたいことの重要なポイントは全く理解できません。
次の文はどうでしょうか?
“This dog are a big.”
文法めちゃくちゃです。でも、すべての単語の意味さえ分かっていれば、文意を汲み取れます。
多くの単語を知っているということは、英語を理解する上でとってもとってもとっても重要なんです。
みんな単語の勉強しなすぎ
僕が多くの人に対してもったい無いなあと思うのは、みんな単語を覚えるのを高校でやめてしまうことです。
高校の時はみんな一生懸命やるんです。テストや受験のために。
単語帳使ってみたり、ノートに10回書いてみたり、最近ならスマホのアプリを使っている人も多いかもしれません。
でも、ほとんどの人は高校を卒業すると途端にやめちゃいます。英語を継続して勉強している人でも、リスニングや英会話に走っちゃうんです。
たしかに単語の勉強って地味だしつまんないですからね。
「じゃあどうやって単語の勉強をすればいいんでしょうか」そんなみなさんの心の声が聞こえてきます(え、幻聴?)。
おすすめの参考書
いろいろな英語に触れる中で自然にボキャブラリーが増えれば良いですが、短期間に単語力を伸ばすには、ニュースなどで生の英語に触れるのと並行して、参考書を使ってしっかり勉強するのがなんだかんだで効率的です。
どんな参考書をつかうべきかも悩みどころです。
例えば、上級者にとっては、英語で書かれた参考書で勉強するというのも一つの方法ですが、初級者にとってはこれはハードルが高いでしょう。
でも、「あ、この単語知ってる!これも知ってる!うわ、全部知ってる!ウホ-!」っていうのは楽しいかもしれませんが、あまり勉強の効果はないでしょう。
できるだけ効率的に単語量を増やすためには、レベルにあった参考書を使うというのが一番です。
というわけで、長々とした前置きでお待たせしました。単語力アップにおすすめの参考書ガシガシ紹介していきます。
初学者向け
Oxford Picture Dictionary
オックスフォード出版から出ている絵の辞典です。身の回りのものの英語が山ほど載っています。
特に名詞の場合、単語を絵と一緒に覚えるというのは非常に効果的です。これは、僕自身が子供に英語を教えている中で実感しています。
暗記の基本は、覚える際にいろんな刺激を与えることなので、文字と絵と、さらにできれば音読して音もあわせて覚えると覚えやすいです。
こういったPicture Dictionaryを使うもう一つのメリットは、日本語では同じ「あご」でも全然違う場所を指している「chin」と「jaw」の違いなどが、一発で理解できることです。
この辞書をメインに勉強するというよりは、かための参考書を使った勉強の合間や、寝る前、起きたあとのちょっとした時間にパラパラっとめくる使い方がおすすめです。
英語を勉強している小さい子供がいる人は、子供と一緒に見るのもアリだと思いますし、中学生や高校生にもおすすめです。
Amazonのサイトに行くと、お試し読みできるページがあるので、一度どんなものか見てみて下さい。
速読英単語入門編、速読英熟語
受験生のバイブルと言ってもいいのがZ会の速読シリーズです。僕も受験生の頃はお世話になりました。
昔の話ですが、僕はセンターの英語は190/200くらいとってました。でも、今思い返すと、ちゃんと取り組んだ英語の参考書って、この速読英単語シリーズだけだった気がします。
速読英単語の入門編もとてもいい本ですが、僕の一押しは速読英熟語です。熟語のいい本ってなかなか無いですからね。
ちょっと長めの文章の中に英熟語が入っているので、実際にどのような状況で使われるのかがよくわかります。もちろん、別のページに各熟語の詳しい解説も載っています。
いずれの本も、英単語や英熟語やその意味が赤字で印刷されていて、赤いシートで隠せるようになっています。受験生向けということもあって、勉強用としての使い勝手も最高です。
中級、中上級者向け
English Vocabulary in Use: Pre-intermediate and Intermediate
中級者なら英語を英語で学ぶというのもオススメの勉強法の一つです。このEnglish Vocabulary in Useは、世界的に大定番の単語学習本です。英単語本としては世界で一番売れてると思います。
さまざまなお題に関する英単語が、見開きの2ページを単位としてまとまっています。お題は、Nationality, Cloth, Work, Sport, Travel, Money, Computer, Time, Numbers, Music, Food, Everyday expression など多岐にわたります。
左ページで単語の意味を確認し、右ページの練習問題を解くことで、単語が記憶にしっかり定着するように構成されています。
本の後半では、「同じ単語がcountable、uncountableとして使われる時にそれぞれどういう意味になるか(冠詞なしのglassがガラスを意味するのに対し、a glassはガラス製のコップなど)」や「American EnglishとBritish Englishがどのように違うのか」といったまとめもあって、中級の学習者にとっては非常に勉強になります。
English Vocabulary in Use: Upper-intermediate
上にあげたEnglish Vocabulary in Useのの中上級者用です。基本的な本の構成は、Pre-intermediate and Intermediate版と同じです。
ちなみに僕が海外で暮らすことが決まった時に、一番最初に妻にすすめたのがこの本です(この記事のトップの写真は、妻が実際に使っているこの本をこっそり撮影したものです)。
出てくるボキャブラリーのレベルはかなり高いですが、実際に目や耳にすることがある単語や言い回しがたくさん掲載されています。
また、付属のCDは単なる音声CDではなくて、PC上で単語の学習ができるCD-ROMです。本で勉強して、CD-ROMで復習という勉強法もいいんじゃないかと思います。
実は、このシリーズは、この上にはさらにAdvancedレベルがあります。TOEIC満点、英検1級を目指すレベルの人はこちらでも良いかもしれません。
TOEFLテスト英単語3800
TOEFL用の単語本として非常に定評のある参考書です。大学受験生のバイブルが速読英単語シリーズなら、TOEFL受験者にとってのバイブルはこの英単語3800です。
TOEFL向けとあって、さすがにレベルは高いです。ただ、TOEFL受験者以外にも、学生や、海外留学する人すべてにおすすめです。ここに書かれている単語のレベル3までをマスターできれば、通常の単語力として十分だと思います。
音声CDが付いているので、mp3などに変換して通学、通勤時などに聞きながら覚えるといいと思います。
上級者向け
English Collocations in Use: Advanced
相手の言っていることを理解したり、自分の考えを伝えるのには十分なボキャがあるという上級者の人は、コロケーションの勉強をするといいと思います。
コロケーションとは、単語同士の自然な組み合わせのことを言います。
例えば、「ミスをする」と言うときは、”make a mistake”が自然で、”do a mistake”はちょっと不自然です。「ちょっとシャワーを浴びる」のは、”quick shower”であって”fast shower”ではありません。
makeでもdoでも伝わるんですが、よりこなれた英語をつかうのにはコロケーションを覚える必要があります。
いわゆる単語本に比べて、こういったコロケーション系の良書は少ないのですが、このEnglish Collocations in Useは、その数少ない1冊だと思います。
Work and StudyやPeopleといったさまざまなトピックスに分類されており、さらにそのトッピクス内の小分類のお題が見開き2ページでまとまっています。このシリーズではおなじみの、左ページには説明、右ページには練習問題という編集で、効率良く学習できるようになっています。
The Etymologicon
単語力にそれなりに自信のある人は、英語学習者用の本ではなく、こういったネイティブが一般教養として読むような本をおすすめします。この本は、タイトルからもわかるとおり、英単語の語源をたどる内容です。
いろいろな単語の語源はもちろんですが、”eat humble pie”という表現が、unble pieという鹿の内臓をつめたパイに由来していることや、”+ (plus)”や”& (and)”という記号はandを意味する”et”から由来しているなど、イディオムや記号に関する語源についても紹介されています。
例えば、二つの線の長さが等しいことに由来する”= (equal)”という記号の話から、コロン(:)の話、さらには双子の話、双子座の話、続いて星座についてはzodiacのzoはzooから由来していること、かに座がなぜCancerなのかについて……というように、語源の一つ一つがぶつ切りで紹介されるのではなく、きっちりしたストーリーで紹介されています。
僕も最近読んだばかりですが、勉強というより楽しんで英語が学べる本でした。
Oxford Dictionary of Word Origins
今回紹介する最後の本です。こちらも書名の通り、英語の語源に関する本です。一般的な単語に問題がない超上級レベルの人は、こういった本で英単語に関する「うんちく」を増やすのもいいかもしれません。ネイティブでも知らない情報が山ほどあるはずです。
こちらは上で紹介した「The Etymologicon」とは違って、いわゆるお堅い辞書です。辞書として使ってもよいですし、暇な時にパラパラとめくっても勉強になります。
読んでいて眠くなったら、もちろん枕にしてもOKです。
どうやって単語を覚えるか?
参考書はゲットしたとして、もちろん本を買っただけじゃ意味がありません。
それじゃあどうやって勉強したらいいか。
僕がこれまでにガリ勉した中で有効だった方法を以下の記事にまとめています。勉強法だけじゃなくて、覚えるためのテクニックとかも載せているので、ぜひ読んでみてください。
10000語の英単語を覚えるための戦略とテクニック【保存版】
悩めるみなさんの参考になったでしょうか。
単語力アップは英語のリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングのいわゆる4技能全ての実力アップに直結します。間違いなく費用対効果が一番大きな英語学習になるので、ぜひがんばってください。