10000語の英単語を覚えるための戦略とテクニック【保存版】

今回の記事では、英単語を効率的に覚えて、英語力をアップさせる方法について紹介します。

英語力をアップさせる上で単語力の向上は不可欠です。

でも、単語を覚えることの重要さに気づいてなかったり、それを認識していてもどうやって単語力を上げればいいか分からない人も多いです。

今回の記事は、ガリ勉だけでTOEFL111点までいった僕が、英単語暗記のための戦略や覚え方について、その根拠となる考え方と一緒に書いていきます。

受験を控えた中学生、高校生はもちろん、仕事で英語を使う戦うサラリーマンの皆さん、英語力を上げたい人全てのための記事です。とにかく一読してもらって、納得感が得られたら1つでも試してみてください。

ちなみに、ここ紹介するのは「3日で○○」とか、「聞くだけで○○」とかいう類のインチキ話ではなく、「勉強法」に関する話です。

真面目に勉強した人がきちんと報われるような効率的なガリ勉の方法を紹介する記事なので、努力0で何とかしたいという人には参考にならないかもしれません。

目次

最低10000語を目指したい

英単語を覚える理由は人それぞれですが、まずは英語でコミニュケーションをとるにはどの程度の単語力があればいいのかを理解しておきましょう。

下の図は、英語のネイティブスピーカーの単語量に関するデータです。横軸が年齢、縦軸が平均的なボキャブラリーの数です。

これを見ると、大人のネイティブスピーカーはおよそ25,000以上の単語を知っていることが分かります。

当然このレベルに到達できれば最高ですが、そう簡単には行きません。

中学生になると結構複雑な話ができることを考えると、15000語くらいの語彙力になってくると色んな会話が楽しめることが分かります。もちろんこれは非ネイティブとしては相当なレベルです。

自分の単語レベルがわからないという人には、Weblioの診断テストがおすすめです。3分くらいで自分の語彙量がどの程度かを診断してくれます。

Weblio語彙力診断テスト

上のテストの結果で10000語以上の評価がでれば、それなりのボキャブラリーがあると自信を持ってください。

残念ながら10000語に届かなかったという人は語彙力が不十分ということです。

逆に言えば、英語で十分なコミュニケーションがとれなかったり、TOEICなどのテストで高得点が取れないのは当然です。これから紹介する戦略やテクニックを参考にボキャを増やしていってください。

ちなみに、ここでいう戦略とは、「ある単語や熟語を覚えることでその先にある目的を効率的に達成するための方針」のこと、です。

単語力をアップさせるその先には、英語のテストで良い点をとるとか、洋書をスラスラ読むとか、英語でビジネスするとか、色んな目的があると思います。

単語の暗記にそれなりの時間と労力がかかるのは避けられないので、どうせならその単語を覚えることで、最終的なゴールに近づけるような単語を優先的に覚えましょうというのが、僕が考える戦略の基本的な思想です。

一方、覚え方のテクニック、つまり「ある単語をどうやって楽に覚えるかという方法や技術」も大切です。

単語を覚えるには、ノートに何度も書くとか、単語帳を使うとか色んな方法があると思いますが、できるだけ少ない労力や時間で単語を暗記するための方法についてもこの記事で紹介します。

英単語を覚えるための3つの戦略

the-strategy

まずは、英単語を覚えて効率的にレベルアップするための3つの戦略を紹介します。

繰り返しになりますが、基本的な考え方としては、せっかく頑張って単語を覚えるのであれば、その記憶が活かされるような単語を優先して覚えるべきだということです。

必須単語NGSLをマスターする(初心者向け)

初心者の人は、まずは使用される頻度が極めて高い必須単語をマスターしましょう。

どんな単語の使用頻度が高いかというのは専門家によって長いこと研究されていて、その成果はGeneral Service List (GSL)としてまとめられています。

最近このリストの改定版が”New General Service List (NGSL)”として発表されています。

およそ2800語からなるリストなのですが、この2800語をマスターすると日常的に使われる英語の90%以上をカバーすることができます。

英語学習を始めたばかりの人にとっては、闇雲に新しい単語を覚えるのではなく、まずこの2800語をマスターすることが、効率的な実力アップの近道になると思います。

基礎力が不足していると感じる人は、一度このリストを確認して、知らない単語が無いかチェックしましょう。

2800語と言っても、”the”とか”and”も含めての話なので、これを全て覚えるのはそれほど高いハードルではありません。

肝心のリストですが、よくまとまっているサイトがあったのでリンクを載せておきます。英語のサイトですが、出現頻度順に50語ずつがまとめられているだけなので、戸惑うことはないはずです。

NGSL by Frequency

このリストに載っている2800語の理解が心もとないという人は、下の本で勉強するといいと思います。僕が知るかぎり、GSLを踏まえた参考書としては日本で唯一のものです。

目的にあった教材を使う

ここからは、上で紹介した必須英単語2800語をマスターしていることを前提にします。

単語力アップの先には必ず何らかの目的があるはずなので、その目的にあった参考書を使って勉強することをおすすめします。

理由は簡単で、目的によって覚えるべき単語がかなり違うからです。

例えば、TOECIは一般的な英語に加えて、ビジネスよりの英語が多く使われています。一方、TOEFLは留学生向けのテストということもあり、アカデミックな用語や大学生活に関わるような単語が多く出てきます。

つまりTOEICのスコアを上げるためであればTOEICの単語本を、TOEFLであればTOEFL向けの本を、英会話力を上げたいのであればそれ専用の単語参考書を使うべきだということです。

また、日常で使う会話力を上げたいのであれば、身の回りにあるものの単語やカジュアルな表現の熟語(Phrasal verbs)を重点的に覚えるべきです。

動詞を優先して覚える

目的に応じた参考書を使うことに続いて僕がおすすめしたいのは、動詞を優先して覚えるということです。

あまり聞いたことがない考え方かもしれませんが、これには4つの理由があります。

  1. 名詞が無限と言っていいほど数が多いのに対し、動詞の数は限られている。言い換えると、新しい動詞を覚えた時に、その動詞に遭遇する可能性は、新しい名詞を覚えた場合より高い。
  2. 動詞の意味が分からなかった場合、それが文意や全体の流れを把握する上で致命的になる可能性が高い。
  3. 動詞を覚えると、そこから派生する名詞や形容詞を覚えたり、意味を推測するのが容易。
  4. 動詞は接頭辞や接尾辞がついていることが多く、それらを関連付ければ意外と覚えやすい。

こういった理由から、動詞を覚えるのは労力対効果が大きい、つまり「お得」なんです。

必ずしもまず動詞だけを覚えて、次は形容詞、次は名詞とする必要はないですし、それは非現実的です。

ただ、多くの単語を覚える中で、動詞が出てきたらいつもよりちょっと気合を入れて覚えるという意識をもつと良いと思います。

効率的な覚え方のテクニック

memorise-brain

ここからは、英単語の覚え方について紹介していきます。基本は、脳に色んな刺激を与えて、点と点を結びつけていく作業をするにつきます。

暗記というと、エビングハウスの忘却曲線が有名です。縦軸に暗記している割合、横軸に時間をとって、時間とともに忘れるからちゃんと復習しましょうねっていうやつです。

正直なところ、僕はこの忘却曲線を勉強に当てはめて論じるような考えは疑ってかかった方がいいと思っています。というのも、もともとこの忘却曲線はランダムに並んだ無意味なアルファベットの暗記に関するものだからです。

むしろ、僕が提案したいのは、エビングハウスの忘却曲線に沿って忘れてしまうことがないように、色んな要素を有機的に結びつけて覚えましょうという考え方です。

スペル、意味、発音(+アクセント)の三位一体

まずおすすめしたいのは、単語を覚える際には、スペル、意味、発音(ここではアクセントも含みます)を三位一体で覚えることです。

忘れられがちなのが発音ですが、これは非常に重要です。

音が分からないと、結局リスニング力、スピーキング力につながらないからです。これは説明するまでもなく明らかにもったいないですよね。

さらに、音と一緒に覚えることで記憶が定着しやすくなります。実際に、イギリスの幼稚園や小学校で現地の子供が英語を学ぶ際にも、このスペルと音の対応(これをフォニックスと呼びます)を真っ先に勉強します(これはうちの子供の実体験です)。

単語力アップの目的が英文読解力アップだという人にとっても、その単語の音を一緒に覚えておくことは非常に大事です。

これは長文読解の時も、読み方が分からない単語があるとそこで止まってしまい読むスピードがあがらないからです。

初見をなくす

新しい単語を覚える時に、一発で長期記憶にもっていくのは無理です。なので、覚えたい単語に何度も遭遇するという環境を作ってやることが大切です。

英単語の学習本を買ったら、まずは端から端まで読んでください。CDなどの音声がついていたら、最初から最後までそれを聞きながら、そして声に出しながら取り組むのががおすすめです。

この時、一つの単語を繰り返し読んだり、何度もノートにスペルを書いたりする必要はありません。ただし、別のことをやりながらの、聞き流し、読み流しはダメです。集中してやってください。

「この単語は前にどっかで見たことがある」という状態を作る程度でOKです。ただし、そういう単語をできるだけ沢山作っておくこと、この「前に見た」という感覚を繰り返しもつことが大切です。

ということで、今日は10単語しっかり覚えて、明日は別の10単語を覚えるというやりかたは無謀です。それよりも、忘れるのを覚悟で、今日100単語、明日も100単語というペースでやりましょう。

これは完全に僕の我流の記憶方法ですが、フォトリーディング(速読術の一つ)に関する記事を読むと、この方法に似たようなやり方が組み込まれているので、あながち的はずれなやり方ではないと思っています。

複数のやり方でインプットする

初見を無くすというやり方にも関わることですが、ある英単語を覚えようとしている時、その単語を別の機会に目にすることで、一瞬で記憶が定着したことはないでしょうか。

一度頭の奥にしまわれた単語をあの手この手で引張りだしてくることで、記憶が強化されます。

ただし、いくら同じ単語を何度も見ると言っても、同じ本を同じように繰り返してみても刺激が弱いので、複数のインプットルートを確保するのが大事です。

一つの教材をコツコツと繰り返しやるというのは、分かりやすいかもしれませんが、マンネリは記憶の大敵です。

これを防ぐ一つの方法は、異なる単語本を併用することです。例えば、同じレベルのTOEICの本であれば、違う本でも似たような単語が出ているので、「あ、この単語あの本にもあった!」という形で記憶に残りやすくなります。

また、本以外の色んな英文に触れるというのも当然有効な方法です。難しすぎないもの、自分の興味がある分野が良いと思います。

逆に言うと、洋書やネットで英語の記事を読んだり、英語でドラマを見たり聞いたりした時に、「この単語見たことある!」「聞いたことある!」という状態を作るために、事前にざっと単語集を見ておくことが有効なのです。

ともかく、薄く広くで良いので、脳のどこかに単語を入れておくということが重要なんだと思います。

Google画像検索を利用する

分からない単語があった時に、本の辞書を引いたり、ネット辞書で検索したりすることが多いと思います。

一度、その単語をGoogleで画像検索してみてください。これには2つのメリットがあります。

1つは単語の意味が映像で入ってくるので、脳に定着しやすいこと。そしてもう1つが、微妙なニュアンスの違いを直感的に理解できることです。

例えば、”puppy”で検索すると、かわいい犬の画像が盛り沢山ですが、この図を見れば、”puppy”が子犬を意味していることが一目で分かる上、像と一緒に脳に定着してくれます。

Google-search-result-pup

puppyで画像検索

続いては、単語のニュアンスが分かりやすいという2つめのメリットに関する例です。

下の図は”sad”を検索した時の画面です。悲しい顔が並んでいます。

Google-search-result-sad

sadで画像検索

 

続いては、同じく「悲しい」という意味の”grief”の検索結果です。

Google-search-result-sorrow

griefで画像検索

画像検索で出ていた写真は、どれもsadより悲痛で、憔悴しきった悲しい顔が並びます。これを見ると、”grief”がちょっと悲しい時ではなく、凄い悲しい時に使う単語だということが一発で分かります。

分からない単語を全てGoogle画像検索するのは現実的ではありませんが、特に似たような意味があってニュアンスの差を知りたい時なんかにおすすめの方法です。

自分が使う場面を想定して例文を作る

続いてのテクニックは、覚えたい単語を使って例文を作ることです。

例文をわざわざノートに書く必要はありませんが、頭の中で思い浮かべてみるといいと思います。

ただし、ここで注意して欲しいのは、適当な内容で作るのではなく、自分が使う場面を想定したリアリティのある例文を作るということです。

例えば、先ほどの”puppy”を例に出すと、

“I like puppies.”

みたいな一般論を例文にしたものはあまり良くありません。

“Your puppy is so cute!”

のように、子犬を飼っている相手がいて、その人に対して自分が発言している場面が想像できるような例文の方がその場面のイメージと合わせて確実に頭に残ります。

これはタルビングが長期記憶の一つとして分類したエピソード記憶の考え方を応用したものと言えるでしょう。

身の回りのカタカナ語を活用する

最後のテクニックとしては、身の回りにあるカタカナ語を積極的に活用するというものです。実は、僕らの周りには英語(っぽいもの)があふれています。

巷でよく聞く横文字は、「和製英語w」とか「意識高いw」といって揶揄されがちですが、いわゆるカタカナや英語の略語はちゃんと意味を知れば強力な武器になります。

パッと思いつくまま、目につくままに少し例を挙げます。

  • パソコンのIPアドレス(Internet Protocol)→ “protocol”は「礼儀作法」、”address”は「住所」
  • 犬のエサとしてお馴染みのペディグリー・チャム → “pedigree”は「血統証」、”chum”は「友達」。
  • SMAP(Sport Music Assemble People) → “assemble”は「人が集まる」。
  • ステマ(ステルス・マーケティング) → “stealth”は「内密の行動」。

どうですか?これらの単語をしらなかった人も、もう意味を覚えちゃってませんか?

こういうカタカナ語や略語って、既におよその意味が分かっていたり、イメージがあるので結構楽に覚えられるんです。

日本語の中で使われているカタカナや英語を見つけたら、「これは元の英語ではどんな意味なんだろう?」という癖をつけると、知らず知らずに単語力がアップしているはずです。

単語の覚え方のまとめ

長文にお付き合いいただきありがとうございました。

最近ふざけた記事が多くなってきたので、たまには人の役に立つ記事を書きたいと思って書いてみたら結構な量になってしまいました。

この記事で紹介した考え方やテクニックの一つでも読んでくれた人の参考になれば幸いです。

英語に苦手意識のある人は、ともかくまずは語彙力をアップさせましょう。一週間で効果が見えるなんてことはありませんが、三ヶ月毎日やれば、絶対に効果があがります。

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